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スタッフブログ

『辛汁と甘汁』

2024-09-19
カテゴリ:食材について,季節の話題
重要これはウマい
今やあまり辛くはありません
そば屋の本職用語ですが、麺汁には「辛汁(からじる)」と「甘汁(あまじる)」とがあります。

辛汁は、一番だしを用いたざるそばの塩味も濃いつけ汁のことです。昔の江戸下町のそば汁は辛汁でないと通用しなかった、と言われています。落語にもある話ですが、昔『死ぬ前に一度でいいから汁をたっぷりつけて食べたい』と言った人がいると。
昔のそばは表面が荒かったので、江戸下町好みの辛汁をたっぷりつけたのではたまらなく辛いわけです。ですからそばの裾の方を3分の1ほど汁につけて、スーッと喉越しを楽しむのが江戸下町のそばだったということです。
しかし今では時代の流れとともに、辛い味の汁を提供しているお店はとても少なくなっています。

甘汁はもちろん辛汁の対語。甘汁は「かけ(つゆをかけたそば)」や「種物( たねものと読み、かけそばに具を乗せたり、あんかけにしたりしたもの)」に使い「かけ汁」ともいいます。
辛汁と異なりこちらは二番だし(一番だしをとった後のだし節で再度煮出したもの)を用いて作ります。つまりだし味が薄めなのです。そして塩味も薄く甘さも際立ちます。

こんな違いがあるのでが、わか松には本来の辛汁・甘汁といったの区別はありません。わか松では『ざる汁』と『かけ汁』といった区別をしております。

『ざる汁』は「鰹節」をメインにした数種類の節でとっただし汁に、溜りと醤油を数種類ブレンドして氷砂糖と味醂で甘みを加えて作った「返し」を加えて作ります。
『かけ汁』は「むろ鯵節」、「さば節」、「宗田節」などをメインに「鰹節」と一緒に使用してとっただし汁に、ざる汁と同じように別味で合わせた「返し」を加えて作ります。

つまりわか松のだしは、どちらも一番だしを使用しているのです。どれを召し上がっていただいても、だし味が濃いのです。そんなことを思い出していただきながら、わか松のそばをご賞味くださいませ。
もうしばらくすると、新そばが入荷してまいります。楽しみにお待ちくださいませ。

ざるそば
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